BLOG

そばを打つ

2018/10/17

そばを打つというのはなぜでしょうか。手打ちそばを作る工程でそばを打ち付ける工程はないにも関わらず、なぜ、そばを打つというのでしょうか。

うどんは、古くから「打つ」・「手打ち」という言葉があり、うどんの作り方に「たたく」「打つ」に近い動作があることから「打つ」という言葉ができたのは自然なことだと思います。

なぜ、現在そば作りの工程に「打つ」という動作がないのに「打つ」と表現するのでしょう。

山形県の板そばの紹介のなかでは、丸く大きくのした生地を綿棒に巻き付けてのし台に打つつける典型的な田舎そばの打ち方が紹介されているそうです。古くは、そば作りの際に「打つ」という動作に近い作り方がされていたともいわれています。

また、著者「風流大名蕎麦」のでは捏ね上げて玉にした生地を木槌で「打った」工程が記されていることから、古くはそば作りで「打つ」動作があったと記されています。そのことから「そばを打つ」としたと考えられています。

さらに、別の説によると、中国とのかかわりが大きいと言われています。中国語では「麵を作る」言い方にはいくつかあり、広東語では「打麵」と言い、麺類の文化が日本に伝わった時に麺類を作ることを「打つ」と伝わり、そばを打つになったとも考えられているそうです。

また、日本語のなかには、打つ動作がないのに「打つ」と表現することが多々あります。例えば、電報を打つ、注射を打つ、心を打つなどたくさんの言葉があります。このことは、中国語の「打針」「打電報」が日本に伝わって「~を打つ」と表現されるようになったと言われています。